おしらせ

 
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オールドレンズ写真学校11月ワークショップ
今月は11月23日(祝)に井の頭自然文化園で開催されます。すでに申し込みが殺到し、定員オーバーのためキャンセル待ちになっているようです。

オールドレンズ女子部
12月2日(土) 東京ドームシティ イルミネーション撮影散歩&お茶会 詳しくはこちら

TAIR-41Mのブログエントリーに写真を追加
Oo.ema.oOさんにオリンパスPENで撮影したタイ―ル41M(前記モデル)の写真を提供していただきました。

2017/11/20

G.Rodenstock Doppel-Anastigmat HELIGONAL 6cm F5.2







歴史の淀みを漂う珍レンズ達 part.4
クアドラプレットを組み込んだ
幻の広角レンズ
G.Rodenstock Doppel-Anastigmat HELIGONAL 6cm F5.2(ドッペル・アナスティグマート ヘリゴナル)
レンズの設計構成は描写の性格を決める重要はファクターなので、構成が特異なレンズには俄然興味が沸いてくる。1905年に登場したドイツ・ミュンヘンの光学メーカー、ローデンストック(G. Rodenstock)社のヘリゴナル(HELIGONAL)は、まさにそんなマニア心をくすぐるレンズの一つであろう[1]。このレンズは現存する個体数が極めて少ないうえ珍しい設計構成のため、レンズフリーク達が探し求める幻のレンズとして指名手配されている[3]。私も以前から気になりマークしていたが、ある日、偶然にも入手できたのでレポートしてみたい。ヘリゴナルの構成は下図に示すように前群がダブレット(2枚玉)、後群がプロターリンゼ型のクアドラプレット(4枚玉)で、他に類を見ない設計形態となっている[2]。前群を外し後群だけの状態でも口径比F12のアナスティグマートとして撮影に使用できる[3]。黎明期の広角レンズとしては珍しく前・後群が非対称のため、発売当初は専門誌からかなり酷評されたようである。当時の広角レンズはまだ対称型が主流で、時代が早すぎたのであろう。しかし、実際には開放から充分な画質が得られることから、評価は次第に良くなっていったそうである。
G.Rodenstock Heligonal F5.2(1905-1911)構成図: 文献[2]からのトレーススケッチ(見取り図)。全群は2枚のあり合わせによるダブレット、後群はCarl Zeiss(パウル・ルドルフ設計)が1895年に発売した4枚玉のプロターリンゼ型クアドラプレットである



ヘリゴナルは1905年に登場し、少なくとも1911年まではエストニア向けのカタログに掲載があるため確かに供給されていた[3]。レンズについての資料は極めて少なく、キングスレークの本[4]に簡単な記載がある以外には、専門誌に掲載されていたチラシが何種類かネットで見つかる程度である[5,6]。しかも、チラシには詳しいことは記されてはおらず、推奨フォーマットはおろか搭載されていたカメラが何であったかなど不明な点は多い。文献[7]では広角レンズと記されており、35mm換算で焦点距離21mmから30mm辺りの推奨画角とあるが、根拠となる資料がないうえ使用してみた感触ではもっと狭い画角(中判645フォーマットか6x6フォーマットあたり)ではないかという印象を持つに至った。
ヘリゴナルのような張り合わせの多い密着タイプの設計はこの時代以前の主流であったが、レンズ設計の軸足はテッサーやダイアリートなど明るいレンズを設計するのに有利な分離タイプにシフトしてゆき、このレンズも短い期間の供給のみで1912年の同社の輸出カタログからは姿を消している[8]。第一次世界大戦後にも同社から全く同名のレンズが発売され1925年頃まで供給されていたが、そちらはよくあるラピッドレクチリニアタイプのポートレート用レンズでオークションにも度々出てくる[3]。

参考文献
[1]Johnson, George Lindsay, Photographic Optics and Colour Photography: Including the Camera, Kinematograph, Optical Lantern, and the Theory and Practice of Image Formation., New York: D. Van Nostrand Company(1909)
[2]  構成図の掲載雑誌:Forsner's Fotografiska Magasin, Priskurant I, 1910-11, Stockholm Örebro
[3] camera-wiki, HELIGONAL
[4] 「写真レンズの歴史」キングスレーク著 朝日ソノラマ
[5] Rodenstock社の広告(1906年) フランス語(LINK)
[6] "LES ANASTIGMAT RODENSTOCK sont superieurs, Representant"  L.CAVALIER, PARIS (1908年)フランス語(LINK
[7] Lens Collectors Vade Mecum, 3rd edition
[8] G. Rodenstock Lenses of Quality Catalog 1912 for USA
[9] Rodenstockの台帳には1934年よりも古い記録がないため、いったい何本のレンズが作られたかなど、このレンズに関する確かなデータを得ることはできない

入手の経緯
オークションで今回のモデル(広角ヘリゴナル)を購入する場合、購入前に現物を手にすることはできないので、ポートレート用ヘリゴナルとの識別は容易ではない。唯一のヒントはローデンストック社のカタログに掲載されていたイラスト[3]であろう。これをみて鏡胴のデザインで判断することと、鏡胴側面に記載されたF5.2の口径比のみが確かな糸口となる。同社の製品台帳には1934年よりも前の情報が欠落しているため、シリアル番号から製造年を割り出す事はできない[9]。
ある日、日本のヤフー・オークションに広角ヘリゴナルと思われる個体が登場。みるとシリアル番号が8000番台と極めて初期のレンズであったので、期待は一気に高まった。ポートレート用ヘリゴナルとの違いを知るマニアは日本にいくらもいないであろうから、これは千載一遇のチャンスと入札、レンズは3万円ちょっとで私のものとなった。届いたレンズが広角ヘリゴナルであることを判断するには現物の後群がクアドラプレットである事を確認するだけだ。「レンズ神よ。これまで何度も幸運を分け与えてくれたが、今もう一度チャンスを分け与えたまえ~」。後群を覗き込むと思わず溜め息が出た。暗い反射が3個に明るい反射が2個のクアドラプレットであり、紛れもなくを持つ広角ヘリゴナルであった。
Rodenstock Heligonal 60mm F5.2: 絞り羽 10枚構成, 構成2群6枚ヘリゴナル型






撮影テスト1
中判 6x9 format (PaceMaker SPEED GRAPHIC)
レンズのイメージサークルは比較的広く中判6x9フォーマットを余裕でカバーできると記録にあったものの、四隅の光量落ちが目立つ結果となった。使ってみた感触では、中判6x6あるいは中判645辺りが推奨フォーマットではないかという印象である。ちなみにレンズを中判6x9フォーマットで用いた場合の撮影画角は、35mm判における焦点距離26mm相当とかなり広い。光量落ちを狙う場合はこれでもよいが、避けたいならば6x6フォーマット以下で撮影するのがよいだろう。
開放から滲みやフレアは見られず堅実な画質で、歪みもほとんど見られず、適度に軟らかい階調表現には好感が持てる。ボケは安定しておりグルグルボケや放射ボケなどはない。やはり設計構成が似ているからであろうか、本ブログで過去に扱ったドッペル・プロターの写りを彷彿とさせる。
F7.7, 銀塩カラーネガ6x9 format(Kodak Portra 400/彩度・減) 四隅の光量落ちがやや強い。好きか嫌いかと言われれば勿論すきだ
F7.7, 銀塩カラーネガ6x9 format(Kodak Portra 400)
F7.7, 銀塩カラーネガ6x9 format(Kodak Portra 400/彩度・減) 雰囲気を出すためシャッタースピードを上げて露出を少し落とし、フォトショップで彩度を少し下げている。中心は緻密に描写されている
F5.2(開放), 銀塩カラーネガ 中判6x9 format(Kodak Portra 400) 今度は露出をあげ、開放で撮影した。フレアは少なく、歪みは小さい








撮影テスト2
中判6x7フォーマット (PaceMaker SPEED GRAPHIC)
中判6x9フォーマットでは四隅に顕著な暗角が出たため、今度は中判6x7フォーマットで撮影してみた。依然として光量落ちの目立つ撮影結果であるが、かなり改善されている。
F8, 銀塩カラーネガ 中判6x7format(FUJIFILM PRO160NS)  ド逆光。この時代のレンズにしては、なかなかの逆光耐性で濁りもそれほどきつくない


F8, 銀塩カラーネガ 中判6x7 format(FUJI PRO160NS) 階調描写はドッペルプロタ―によく似ており、この時代のBテッサーF6.3に比べても明らかに軟らかい

F8, 銀塩カラーネガ 中判6x7 format(FUJI PRO160NS) 

F5.2(開放)銀塩カラーネガ 中判6x7format(FUJIFILM PRO160NS)  ボケ味は素直だ。

撮影テスト3:フルサイズフォーマット

CAMERA:  SONY A7RII
続いて、デジタルカメラ(フルサイズ機)での作例を見てみよう。中判カメラでの作例はシャープな描写であったが、いい塩梅の軟調描写になり、開放から滲みやフレアなどはないものの、少し淡い発色傾向で、あっさりとライトなトーンに仕上がる。フルサイズフォーマットでも画質的に無理はない。逆光でもゴーストやハレーションは出にくい。
F7.7, sony A7R2(WB:晴天) 軟調で淡い描写だ

F5.2(開放)  sony A7R2(WB:晴天, ISO1000) 35mmフォーマットでも無理のない撮影結果が得られる

F5.2(開放)  sony A7R2(WB:晴天, ISO1000)


F7.7, sony A7R2(WB:晴天、ISO1000)






F7.7, sony A7R2(WB:晴天)

F11, sony A7R2(WB:晴天)

2017/11/01

オールドレンズ写真学校展Vol.4(ご案内第2報)+体験イベントのご案内



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オールドレンズ写真学校展 Vol.4

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オールドレンズ写真学校参加者によるグループ展示会です。ぜひお立ち寄りください。

【場所】
原宿 デザインフェスタギャラリーEAST201/202
http://www.designfestagallery.com

【展示スケジュール 】
2017年11月3日(金/祝)~5日(日)

11月3日 16:00〜20:00
11月4日 11:00〜20:00
11月5日 11:00〜19:00


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ジョイントワークショップ:イルミナー体験会

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日時11/4(土) 13:00より1時間程度
集合場所は展示会会場です。
参加費・無料

オールドレンズ写真学校が開発したイルミナーの体験会を行います。レンズをご用意いたしますので、ご自身のカメラに装着し、展示会の会場周辺でレンズを使用していただくことができます。また、数量限定ですがカメラやマウントアダプターの貸し出しも可能です。気に入ったレンズはその場で購入することも可能です。貸出レンズは

イルミナー・アメジスト 25mm F1.4
イルミナー・ペリドット 25mm F1.4
イルミナー・ブルートパーズ 25mm F1.4

です。マイクロフォーサーズ機での使用を推奨します(フジやEOS-Mでの仕様も可)。


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ジョイントワークショップ:オールドレンズ体験会

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日時11/5(日) 13:00より1時間程度
集合場所は展示会会場です。
参加費・無料

オールドレンズ写真学校で推奨しているレンズの体験会を行います。レンズをご用意いたしますので、ご自身のカメラに装着し、展示会の会場周辺でレンズを使用していただくことができます。また、数量限定ですがカメラやマウントアダプターの貸し出しも可能です。気に入ったレンズはその場で購入することも可能です。貸出レンズは

Pentacon Prakticar 50mm F2.4
MC Pentacon 50mm F1.8
Pentacon AV 80mm F2.8
ILLUMINAR 25mm F1.4
PETRI 55mm F1.8/F2
HELIOS-44M/44-4 58mm F2

各レンズの紹介はこちらです。

その他、裏メニューも多数ありますので、会場にてスタッフにお尋ねください。私もシネレンズのTair-41M 50mm f2(ライカMマウント、ゼブラ柄の美品)を1本レンタル用に提供します。欲しいか方がいましたらお声がけください。