おしらせ


2013/07/02

EXAKTA-EOS mount adapter part2(フルサイズ機)


EXAKTA-EOSアダプター 
PART2(フルサイズ機編)

EXAKTA用レンズをCANON EOSシリーズの一眼レフカメラに装着するためのアダプターがEXAKTA-EOSマウントアダプターである。市場にはわけあって無限遠のフォーカスを拾うことのできる約0.7mm厚モデルと、無限遠に届かない約1mm厚モデルの2種が出回っている。実は無限遠のフォーカスを拾うことのできるモデルは、私の知る限り全ての製品がEOS 5D/6D系のフルサイズ機や銀塩カメラにおいて例外なくミラー干渉を起こす。しかも、ミラーが当たる場所がレンズの後玉ではなくアダプターの裏面もしくはレンズのかぎ爪なのである。ミラーがレンズの後玉に当たる場合には、レンズのヘリコイドを近接側に繰り出すことで引っかかったミラーを解除できるが、アダプターの裏面に引っかかる場合、解除は簡単ではない。ミラーを解除するにはアダプターをカメラから外さなければならず、ミラーを引っ掛けた状態でそれを行うと、最悪の場合にはミラーに大きなダメージを与えてしまう。センサーサイズやミラーサイズの小さいAPS系カメラならばミラーの干渉問題は起こらないが、大きなフルサイズセンサーを搭載したEOS 5D/6D系カメラや銀塩カメラでは、1mm厚の後者のタイプを導入しなければなならない。このタイプのアダプターは無限遠のフォーカスを犠牲にすることでミラー干渉を回避できるように設計されているのである。ちなみに、現在、eBayなどの中古市場に出回っている中国製品では、どちらのモデルにおいても無限遠のフォーカスを拾うことができると記載されている。EXAKTAとEOSのフランジ長の差は0.7mmなので、1mm厚のモデルに関しては「絞れば無限遠点も被写界深度に入りますよ」という意味なのであろう。厳密には嘘の記載である。

0.7mm厚のモデル
このカテゴリーに日本製は存在しないので、eBayなどから中国製品を入手することになる。価格は18ドル(2013年7月の時点)あたりからあり、黒色のアルミ製モデルが多く出回っている(下の写真)。ノギスで厚みを測ると0.65mmとなっており、EOS kiss digitalに装着したところ無限遠のフォーカスを拾うことができた。



1mm厚のモデル
近代インターナショナルの販売する日本製品(宮本製作所製)のrayqual/HANSAブランドと中国製品(下の写真)の2種が入手可能である。ただし、日本製は最近生産終了となってしまい、現在はショップの在庫からのみ入手可能である。いずれも真鍮製であるが、日本製はブラックカラーとなり、メーカー希望小売価格は1.8万円。中国製はシルバー色のみで、eBayでは18ドル辺りから売られている。EOS 5D/6D系のフルサイズ機や銀塩カメラでは、この1mm厚のモデルを使用しなければならない。もちろん、無限遠のフォーカスを拾うことはできないが、焦点距離100mmのレンズで50~100m先辺りまでのフォーカスを拾うことができた。


参考
[1] "An Exakta to Canon EOS Adapter that Allows Infinity Focus", Lens Bubbles, Yu-Lin Chan





8 件のコメント:

  1. こんばんは。
    やっと6Dが我が家にやって来ました。
    プロショップムサシの特注Exata-EOSってのを手に入れたのですが、その前にspiralさんのこの記事を読んでたので、届いてもしや・・・とノギスで測ったら明らかに1mm以下。手に入れた真鍮鏡胴のトリオターを付けたらアダプターからマウントの引っかかり部分が出ます。ああ、これがミラーに引っかかるのか?と撮ってみたらシャッターは切れましたがミラーが戻らなかったですね。トリオターのマウントは最後まで回らなかった為が功を奏したのかマウントを回して問題なくレンズが外れ、ミラーもキズつきませんでした。
    アダプター部が1mmだった場合、レンズのマウントはアダプターから飛び出ないですか?なんかマウントの引っかかりがアダプターの奥に1mmほど出ちゃうので、それはアダプターの厚さが1mmでも変わらない様に思うのですがどうなんでしょう???

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    1. こんばんは

      私は同じことをやって、無限遠の出るアダプターに装着し
      6Dのミラーを傷つけてしまいました(泣)。購入後3日目のことです。
      でもショップの保障に入っていたので修理にだしたら修理費を
      請求されませんでした。

      確かにおっしゃるとおり、厚みが1mmのアダプターでも、
      マウント部の引っかかりはアダプターからカメラの側に
      飛び出してしまいます。しかし、この飛び出した部分も含め
      ミラーから離れた位置に移動していますので、
      ミラーは干渉はおこりません。(いろいろなレンズで試しました)

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  2. おお、そうなんですかぁ。無限遠は犠牲にしてでも干渉しないアダプター欲しいですねぇ。
    そういえばトリオターのExaktaマウントのを手に入れたんですが、引っかかりのレバーに填まる出っ張りの位置が2mmほどずれた位置にあって、M4/3マウントのアダプターで止まりませんでした。
    なので撮影時はピント合わせでレンズが抜けるので使い勝手が最悪でした。何かDIYして2mmずらそうかな~とか考えてます。

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    1. 6Dで使用するのでしたら無限遠を犠牲にしたアダプター以外に選択肢はありません。値段を問わないのでしたら、日本製のHANSAブランドが耐久性もよくブラックカラーなので反射も起こらないなど、最も優れていると思います。ちなみに、この製品も1mm厚です。

      DIYのほうも健闘を祈ります。

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  3. 5DMk2でSuperTakumar35mmを付けて撮ったらミラー干渉して、調べたらここに行き着きました。ショックです。仕方がないのでミラーアップして撮ることにしました。

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    1. 無限の出る無干渉アダプターはこの世に存在しないというのが結論です。残念ではありますが、物理的に無理と考えるのが妥当におもえます。

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  4. そのようですね、ただ、SMC TAKUMAR 55mmは全く干渉なく使用できています。後玉の出張り具合を見るとSuperTaumar35mmに比べて明らかに浅いので干渉しないようです。
    35mmの方はミラーとのギャップが僅かで、ねじ込みの具合で上手くミラーが動くこともあるのですが、中々微妙ですね。
    とりあえず前述のようにミラーアップして使用してますが、ピント合わせが中々難しいのが難点です。

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    1. 中国製の黒いアダプターは設計精度が悪いためか、あるいはわざとなのかわかりませんが、ガタツキがあります。このガタツキ分の遊びで干渉したりりなかったりと、スレスレのところを行き来している様子でした。私は凝りましたので、全て処分しましたが・・・。がんばってください。

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