おしらせ


2011/11/17

Dallmeyer Dallon Tele-Anastigmat
6 inch(152.4mm) F5.6 (改M42)



戦前に生産されたダルマイヤーを
現代のカメラにマウントする!!
世の中には戦前のレンズを愛し、改造して現代のカメラで用いる猛者が国内外を問わずウヨウヨといる。戦前のレンズはシャキッとは写らないものが多いし、発色は淡白になりやすい。ピントは来ているのか来ていないのか定かでない時があり、開放絞りで良く写るのは中央部だけ。彼らはいったい何を望んで、そこまで古いレンズに走るのだろうか。彼らのブログをチラッと覗き見る限りでは、内容は至って真面目。特に変態というわけでもなく自虐プレーを楽しんでいるわけでもない。猛者達に共通しているのは、コントラストやシャープネスといった現代のレンズが得意としている描写性能への執着を捨て、画質的に厳しいはずの古いレンズから特別な何かを得ているようなのである。もしかしたら、彼らは画質として破たんするギリギリの境界線上にオールドレンズ遊びの「究極」を追い求めているのではないだろうか。今回の一本は英国の老舗レンズメーカーDallmeyer(ダルマイヤー)社が戦前の1930年代に製造したテレポートレンズのDallon(ダロン) 152㎜ F5.6である。
Dallonの鏡胴は真鍮でできており耐久性が高くズシリとした重量感がある。ガラスにはコーティング(光の反射防止膜)がないため逆光撮影ではフレアが盛大に発生する。屋外での使用時はコントラストが低下気味になる
このレンズはイギリスから入手した時点で、既に前のユーザーがM42マウントに改造を施していた。イメージサークルは35㎜フォーマットをカバーし、バックフォーカスが長いので、一眼レフカメラでも支障なく使用することができる。ダルマイヤーの製品はシリアル番号から製造年代を照合するためのデータベースが整っていないようで、現在ネットに公開されている情報から追跡調査ができるのは1910年以前に生産された最も古い製品のみとなる。本品の製造時期も正確には知ることができない。ただし、1935年~1938年に製造されたたExaktaやNacht-Exaktaというカメラの多くにシリアル番号の近いダルマイヤー製レンズが搭載されているので、そのあたりの時期なのであろう。Dallonのブランド自体は1927年に刊行された浅沼商会のカタログ「Catalogue Photo Supplies 1927:写真機械材料目録」で確認できるので、光学系が設計・開発されたのはそれよりも前となる。
Dallonの光学系は2群4枚で古典的なBis-Telar型(1905年)の望遠基本形である
絞り値 F5.6-F32, 最短撮影距離 約2.5m, 重量(実測) 435g, 絞り羽数 14枚,フィルター径 21.5mm前後。レンズには真鍮素材の純正フードとキャップがついていた。レンズが生産されたのは、おそらく1930年代半ばから1939年頃にかけてであろう

★創設者J.H.Dallmeyer
John Henry Dallmeyer(1830-1883)は1830年にドイツWestphaliaのLoxtenに地主の息子(次男)として生まれたドイツ系英国人である。幼いころから科学の才能に恵まれ、1951年に英国ロンドンに来ると、Andrew Rossが1830年に設立したレンズと望遠鏡の会社で職を得た。DallmeyerはRossから優秀な部下として一目置かれていたが同社における待遇に満足することができず、また英語が堪能ではなかったことや控えめな性格が原因で、同僚達からは「紳士」と呼ばれ揶揄されていた。結局、組織に馴染むことができずフランスとドイツに拠点を持つコーヒー輸入業者に転職してしまう。しかし、一年後にRossがDallmeyerを連れ戻すため説得、一般労働者ではなく技術顧問として再びRossの会社に迎え入れた。その後、Rossの深い信頼を得たDallmeyerは彼の次女ハンナ・ロスと結婚する。1859年にRossが死去すると、その遺産の1/3と望遠鏡工場を相続、1860年にDallmeyer社(英国ロンドンが拠点)を創設し写真レンズの製造に着手した。彼はレンズの研究と改良に熱心で、1862年に色消しトリプレット、1866年には広角レクチニリアとラピッド・レクチリニアを開発し、風景撮影用レンズと人物撮影用レンズの分野に大きな功績を残した。ロシア政府は彼にORDER of St STANISLAUS賞を、フランス政府はCHEVALIER of the LEGION of HONOUR 賞を与えている。晩年のDallmeyerは病気の療養に専念し、会社は次男のトーマス(Thomas Rudolphus Dallmeyer)が引き継いでいる。その後、1883年に療養のための船旅の途上、ニュージーランド沿岸の船上で死去している。


★入手の経緯
今回紹介するDallonは2010年9月にeBayを通じて英国ロンドンの個人から入手した。出品時の商品の解説は「M42マウントに改造されたDallmeyer Dallon。ドリーミーなボケが得られ。ビデオワークにも適している。ヘリコイドリングはスムーズ、絞り羽にオイル染みはなく、目視できるクモリやカビはない。クリーニングマークもない。レンズは現在、コレクターが所持しており、コレクターは資金調達のために手放そうとしている。」とある。戦前のレンズにそんなきれいな品が残っているはずはなく、この解説には初めから半信半疑であったが、出品者は返品に応じるサインをだしていたので入札してみることにした。商品は200ドルの値からスタートし、これに4人が入札した。締切日の前日に390ドル(3万円)で入札し放置したところ、次の日に353ドル(2.7万円)で落札されていた。Dallmeyerのレンズは希少性が高く流通量が少ないため、Dallonについても正確な相場は不明だが、状態の良いものには800ドルの値がつき売られている。人間でいえば75歳を超えるお爺さんであり、経年劣化のシミやしわが出ていてあたりまえ。ピチピチでプリプリの爺さんを期待するのは大間違いであろう。かなりの痛みがあることは覚悟していたが、2週間後に届いた品は驚いたことに実用レベルの品であった。もちろん、強い光を通してチェックすれば、いくらでも粗はある。前玉表面にスポット上の薄い汚れ(多分、過去にカビを除去したあとであろう)があり、経年によるヤケもでていた。クリーニングマークも少々、ホコリの混入も当然あった。しかし、バルサムが切れておらずクモリも出ていない。イメージクオリティを大きく損ねる末期的な劣化症状がなく、まだ現役のスーパー爺さんである。

こんなフードの留め金具にまで特許申請がおこなわれているとは・・・。権利の国・英国の気質が伝わってくる


★実写テスト
私のような戦前レンズのビギナーには画質的に優位なテレポートレンズで正解だったのかもしれない。Dellonは設計に無理がなく口径比も開放絞りでF5.6と控えめであることから、周辺部まで安定した画質を維持し、戦前のレンズにしてはなかなかよく写る描写力を実現している。開放絞りでもピント部にはしっかりとした芯と解像力があり、戦前のDallmeyer製レンズによくみられる像の滲みやハロなどは全く出ない。階調表現が柔らかくコントラストが低いため、淡白で古めかしい発色になるなど、古いレンズらしい、ゆる~い特徴がしっかりと出る。ただし、赤や黄色の原色が入ると、その部分だけが急に鮮やかな色づきをみせ、ある種のメリハリを生むカラーバランスはハイライト部でやや赤みを帯びる点が特徴で、全体としては温調。古いレンズならではの異質な雰囲気を漂わせる癒し系レンズといえるであろう。ただし、ガラス面にコーティング(反射防止膜)がないことから逆光撮影にはきわめて弱く、屋外では常にフレアを気にしながら撮影することになる。F5.6の口径比には不満を抱く人もいるかもしれないが、考えてみれば焦点距離は152mmもあるので、有効口径は50mmの標準レンズに換算した場合にF1.82となり、ボケを堪能するには充分だ。ボケ味は硬く、時々ザワザワと煩くなることがあるが、2線ボケやグルグルボケなどが目立つようなことはない。以下にフィルム撮影とデジタル撮影による無修正・無加工の作例を示す。

★フィルムによる撮影による作例★
F5.6(開放) 銀塩(Fuji S400)  こちらは最短撮影距離での作例だ。ピントがキッチリ合えばこのとおりにキレのある撮影結果が得られる。 発色はやや赤みを帯びる傾向がある
F5.6(開放) 銀塩(Kodak SG400) コントラストが低く古めかしい発色だ。現代のレンズではこの色味はだせない。肌の色がやや赤みがかっている

F5.6(開放) 銀塩(Kodak SG400) ボケ味に不思議な魅力があり、形が崩れず、まるで絵画の世界だ
F8 銀塩(Fuji S400) 目に優しい緩やかな階調変化になっている。とても良く写るレンズだ

F5.6 銀塩(Fuji S400) 深いフードを装着しているし太陽光が視野にはいっているわけでもないのだが、逆光になった途端に、このとおりの猛烈なフレアとなる。大判用に設計されたレンズなので、一眼レフカメラで用いた場合にはミラーボックス内の内面反射光が問題になる。おそらくこれが原因なのであろう。回避するにはステップダウンリングでイメージサークルをトリミングしなければならない。ボケ味はザワザワとして硬めだが形が崩れずにユラユラとしている。赤の発色がビビットだ
F5.6(開放)  銀塩(Fuji S400)  フレアを生かした淡い作例を狙うには好都合なレンズといえるだろう

★デジタルカメラによる作例★
F5.6 NEX-5 digital, AWB:
F8 NEX-5 digital, AWB: デジタル撮影においても少し赤みがかった発色が得られている
F8 NEX-5 digital, AWB こちらの作例でも黒潰れが回避されている。階調表現力の高い優れたレンズだ

2011/10/29

ENNA München Edixa Color-Ennalyt 50mm F1.9(M42)

オールドレンズ界のB級グルメ!
ほんのりと赤みを帯びる独特の発色が魅力
古いレンズの描写には現代の万能なレンズにはない個性、あるいは性格のようなものが表れる。この性格を指して世間一般には「レンズの味」と呼ぶことになっている。ただし、一概に「レンズの味」と言っても、ボケ味、結像具合、発色など実際には様々な要因を指しており、これらはレンズの設計や製造時期ごとに少しずつ異なる特徴を示している。しかし、このうちの発色についてはメーカー毎にある程度一定の傾向が表れるようで、レンズの味をカラー特性で区分けしメーカー名を割り当てるといったラフなマッピングができるようなのである。シュナイダーやキャノンFD、ローデンストック等の古いレンズには薄らと青味を帯びる爽やかでクールな発色傾向を持ち味とするものが多く、ツァイスやフォクトレンダー、ロシア系レンズでは黄色味と若干の赤みを帯びる温調で華やかな発色傾向を示すものが多くある。一方、ENNA社の生産したレンズには強い赤みを帯びる独特な発色特性を示すブランドがあるようなのだ。この情報のネタ元であるNocto工房のスタッフM氏によると、Ennalyt 85mm F1.5という1960年代に製造された中望遠レンズの作例にハッキリとした赤みがのり、優雅な発色特性が得られたという。興味深い情報なので自分の目で確かめようとeBayでEnnalytを探したところ、レンズは直ぐに見つかった。しかも、1200~1500ドル以上もする高級品である。Biotar 1.5/75だって800ドルもあれば状態の良い個体が手に入るし、現行品のコシナ製Planar 1.4/85だって1250ドルあれば新品が買える。なぜこんなに高いのか?何か人気の秘密でもあるのか?そんな疑問に対するさまざまな憶測が頭の中に浮かんでは消え、一人で盛り上がっているうちにますます興味が湧いてしまった。しかし、とても私には買えない高価なレンズなので、ここはやや口径比の控えめな姉妹品のColor-Ennalyt 50mm F1.9を狙う事にし、さっそくeBayのサーチアラートに登録して気長に待ってみた。ところが、数週間が過ぎ数カ月が過ぎても一向に出品される気配がない。このレンズは中古市場になかなか流通しないレアなレンズのようである。ようやく見つけた1本は米国カリフォルニアの中古カメラ業者の品であった。チャンスを逃すまいと250ドルで入札を試みたものの、コロッと競り負け、何と405ドルで他者の手に渡っていった。Zeiss Pancolar 1.8/50だって150ドルあれば買えるのに、どうしてこんなに高いのだろう。

かつて不人気だったレンズほど現在は相場高に
カメラの生産部門を持たない中堅レンズメーカーにとって、標準レンズは単体で発売してもさっぱり売れない難しいジャンルであった。標準レンズはカメラとセットで売られることが多く、カメラメーカーやバイヤーズブランドとの連携による販売が交換レンズ市場のシェアの拡大に直結したのだ。戦後のカメラ市場で消費者の多くが好んで手に入れたのはツァイスやシュナイダーなど老舗有力メーカーの高級ブランドや安く性能の良い日本製レンズの組み合わせであり、SCHACHT,ISCO,ENNAなどブランド力のやや弱いドイツの新興中堅メーカー勢が標準レンズでヒット商品を生み出すことは極稀であった。この不人気ぶりは、やがてこの種のレンズが稀少価値を持つ一大要因となった。明るく表現力の豊かな標準レンズは製品としての魅力に富み、デジカメ全盛時代の到来とともに再び萌え上がっているレンズグルメ達の物欲によって、オールドレンズ界のB級グルメとして人気を博するようになったのだ。今回紹介するCOLOR-ENNALYT 50mm F1.9もそうした類の一本で、1950年代後半にドイツカメラの大衆機Edixaに搭載する交換レンズとして発売されたが、当時は全く売れず知らぬ間に消滅していった不人気ブランドの筆頭だった。中堅メーカーは主力商品を広角レンズや望遠レンズに据え、2本目を安価に揃えたいという消費者のニーズをターゲットにしていたため、標準レンズに対してモデルチェンジを活発に繰り返す事はなかった。こうした事情がColor-Ennalytの稀少価値を更に押し上げ、現代になって高値で取引される大きな要因となったのである。

重量(実測) 248g, フィルター径 48g, 絞り値 F1.9-F16, 絞り羽根 7枚, 最短撮影距離 0.5m, 光学系 4群6枚ダブルガウス型, 焦点距離 50mm, 絞り機構は半自動絞りで、マウント面から突き出したピンと鏡銅側面の開放レバーによって制御する。マウント面のピンを予めプッシュしておけば手動絞り機構としても使用できるようになる。対応マウントにはM42とexaktaがある。Color-Ennalytは後玉が大きく飛び出しているため一眼レフカメラではミラーに干渉するモデルがある。APS-C機やミラー駆動がスイングアップ式の銀塩カメラminolta X-700では無限遠でもミラー干渉しなかった。
Color-Ennalytの大きなポイントは、50mmの焦点距離とENNA製レンズとしては珍しい銀鏡銅であろう。1950年代はまだ一眼レフ用ガウス型標準レンズの焦点距離が技術的に55mmや58mmで設計されていた頃であり、いち早く50mmのレンズを登場させたところにENNAの社風がよく表れている。ISCO製レンズにも良く似たデザインのモデルがあるが、この種の銀鏡銅はブラックカラーのカメラに搭載すると、存在感が引き立てられて上品にみえる。絞り開放レバーの指を掛ける部分が小さな赤の革で装飾されているなど、この時代のENNA製レンズは細部までよく造られている印象だ。残念なことに、1960年代以降に登場したENNA製レンズの多くは徹底したコスト削減の影響により、機構的にも機能的にも簡素な造りになってしまった。


入手の経緯
2011年9月にeBayを介して米国アイオワ州の中古カメラ業者リンウェア(取引件数900件ポジティブ99.8%)から即決価格220ドル+送料35ドルにて落札した。商品に対する解説は「外観は素晴らしい状態。フォーカスリングは軽快で適確。絞り羽はマニュアル機構で作動する。ガラスはクリーンでクリアだが、薄いクリーニングマークが2本ある。イメージクオリティには影響ない。前後のキャップがつく」とのことであった。同時に出品されていた他の商品に対する解説も悪いところを具体的に示しているので、この業者を信用することにした。本品はENNA社の製品の中でも稀少価値が高いブランドなので、コレクターの収集対象になっている。状態が良い品には350ドル以上の値がつくこともある。届いた商品には後玉端部のコーティング面にやや染み状のヤケ(経年劣化)がポツポツと見られた。しかし、実用的には申し分なく、安く手に入れることができたので、これで妥協することにした。お約束どうり前玉にはクリーニングマークが数本あったがイメージクオリティには影響なさそうだ。


撮影テスト
使用カメラ minolta X-700
フィルム Kodak Elite Crome 100(ポジフィルム) / Fujicolor Reala 100 and Kodak Super Gold 400(ネガフィルム)
Color-Ennalytには鮮烈な赤の発色を期待していたが、どうやらパワフルな赤というよりは日本の伝統色にあるような雅な赤に近い印象だ。このレンズの撮影結果にはハイライト側が赤みを増しシャドー側が青みを帯びる傾向があるようで、人の肌や白っぽい壁面などがほんのりと赤みを帯びたり、黒髪が茶髪に変色する。一方、照度の強い晴天下では日蔭の部分が青みを帯びる事が多い。面白い発色が得られたのは髪の毛などの黒いものが太陽光をうけるときで、反射によるテカリがハッキリとした紫色に変色した。また、日蔭の中にある白や灰色のものが淡く幻想的な紫色に着色される事もあった。緑は赤と補色の関係にあるためかビビットに再現されるようだ。デジタルカメラ(nex-5)でも撮影を行っているが、どういうわけだかフィルムの時のようには赤みが出ず、ノーマルな発色となるケースが多かった。
 ピント面はスッキリとしており開放絞りでも結像に甘さはない。ボケ味は穏やかで開放絞りでもグルグルボケや2線ボケが顕著に出ることはなかった。よくまとまったレンズだ。以下作例。




    
F2.4銀塩(FujiColor Reala Ace 100 ネガフィルム)  アウトフォーカス部で太陽光の反射がうっすらと赤みがかっている

F8 銀塩(FujiColor Reala Ace 100 ネガフィルム) 深く絞り込むと水面からの太陽の反射光(点光源)が赤く色づいてみえる。このレンズの発色特性の原理を知る手掛かりを含んでいる一枚だ
F1.9 銀塩(Kodak GOLD 400 ネガフィルム) こちらは室内が白色蛍光灯で、背後から日光が入っている。黒髪の変色が目立ち、前髪のテカリが青、後髪は日本の伝統色にあるような雅な紫色になっている。開放絞りでもこれだけスッキリとうつれば合格点だ
F?  銀塩(FujiColor Reala Ace 100 ネガフィルム)  解像力もなかなか高い。背景のボケとの相乗効果によって浮き上がるような立体感が生まれている

F2.8 銀塩(Kodak EBX 100, ポジフィルム)  こちらはポジフィルム。シャドー部が青みがかるのはこの時代の西独製レンズによくある傾向だ。しかもこのレンズの場合にはすこし紫色っぽくて綺麗だ
左F1.9 銀塩(FujiColor Reala Ace 100 ネガフィルム)/ 右F1.9 銀塩(FujiColor Reala Ace 100 ネガフィルム) 左はごくノーマルな発色が得られたケースで、右は肌や石垣が僅かに赤みを帯びたケースだ。ピンボケはいつものこと。髪の毛は茶髪に変色している。Color-Ennalytを用いた作例では、こんな色の肌や髪の毛になることが多かった。どんな条件によってこのような差異が生みだされるのかは、まだよく把握できていない。上品な赤ではないだろうか

F8 銀塩(Kodak GOLD 400 ネガフィルム) うひゃ~。石材の表面や階段のステップが病的な紫色に変色している。人の顔が赤い
F2.8 銀塩(Kodak ポジ EBX 100, daylight)  こんどはポジフィルム。こちらの作例でも髪の毛や背景の葉に紫が出ている。シャドーの青みが赤みと配合するためだろうか。熟れたイチジクのような色だ


F1.9 銀塩(Kodak GOLD 400 ネガフィルム)  ボケ味をテストした作例。ピント面はスッキリとしており、結像に甘さは無い。開放絞りから球面収差をキッチリと補正するフルコレクションタイプのレンズのようだ

F1.9 銀塩(Kodak EBX 100, ポジフィルム) こちらも開放絞りでボケ味をテストした作例。被写体がソフトにみえるのは単なるピンボケ。像の流れもほとんどなく、ボケ味はなかなか良い

左F1.9 銀塩(Fuji Color Reala Ace100ネガフィルム) / 右F2.8 銀塩(Fuji Color Reala Ace100ネガフィルム) このレンズで撮ると緑がとても鮮やかに見えることがある。こちらの作例にも、ほんのりとした微かな赤みがのっている