おしらせ


2015/10/26

New Book Releases "OLD LENS x BEAUTIFUL GIRL" 新刊のご案内 「オールドレンズ×美少女」



知り合いの写真家・上野由日路氏が『オールドレンズ×美少女』を出版します。下記の玄光社MOOKのホームページにもう少し詳しい情報があります。少し関わっています。でも、美少女には会えなかった(涙)。
http://www.genkosha.co.jp/gmook/?p=9277
http://www.genkosha.com/read/gkm/0669/index.htm
 
My friend Yoshihiro Ueno, who is a professional photographer, wrote a very attractive book titled "Old Lens x Beautiful girl".  The book is released on Oct.30 2015. You can buy it in the bookstore in Japan.  This book explains how to shoot the beautiful girls effectively using legendary cine lenses:

Arriflex Cine Xenon 25mm F1.4
Arriflex Cine Xenon 35mm F2
Arriflex Cine Xenon 50mm F2
Cine Planar 32mm F2
Cine Planar 50mm F2
Cine Planar 85mm F2
Cooke Speedpanchro 18mm F1.7
Cooke Speedpanchro 40mm F2
Cooke Speedpanchro 50mm F2
Cooke Speedpanchro 75mm F2
MakroGaussTachar 40mm F2
Tessar 12cm F6.3
Bsusch&Lomb Tessar 16.5cm F6.3
Re Auto Topcor 5.8cm F1.4
Auto Switar 50mm F1.8
Prominent Nokton 50mm F1.5
Prominent Ultron 50mm F2
Noctilux 50mm F1
CommercialEKTAR 8 1/2inch F6.3
Rollei Planar 50mm F1.8
Color Ultron 50mm F1.8
Contarex Sonnar 85mm F2
Contarex Distagon 35mm F2
PO2-2M
PO3-3M

Please check detailed information in the following web page:
http://www.genkosha.co.jp/gmook/?p=9277
http://www.genkosha.com/read/gkm/0669/index.htm
http://www.amazon.co.jp/gp/switch-language/product/4768306691/ref=dp_change_lang?ie=UTF8&language=en_JP
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以下は著者からいただいた解説文(プレスキット)です。

 
オールドレンズ×美少女

【内容紹介】

ポートレート撮影でオールドレンズの魅力を発見する

ミラーレスカメラの誕生により、オールドレンズやシネレンズなどの過去のレンズを自由に楽しめるようになりました。そのレンズの魅力をポートレート撮影を通して楽しむ方法を徹底ガイド。ポートレートにお勧めの名レンズガイドをはじめ、オールドレンズの基礎知識や撮影テクニック、レンズ設計者の歴史物語など、撮影役立つ情報や読み物も豊富に掲載しました。

・シネレンズと10人の美少女
清水富美加/内田理央/小澤奈々花/古畑星夏/柴田杏花/ 高橋ひかる/山地まり/末永みゆ/はねゆり/モトーラ世理奈

・オールドレンズ基礎知識
・RAYQUAL レポート
・オールドレンズ撮影テクニック
・NOCTO レポート
・美少女と名レンズ5選
 北村優衣/里々佳/野口真緒/ハマカワフミエ/手塚真生
・SHELLY×上野由日路
・アライテツヤ×上野由日路
・翁長 裕×上野由日路
・福野礼一郎が語るアリフレック
・オールドレンズストーリーズ〜レンズ設計者の物語〜
・ ショップガイド

【登録情報】 

ムック
出版社: 玄光社 (2015/10/30)
言語: 日本語
ISBN-10: 4768306691
ISBN-13: 978-4768306697
発売日: 2015/10/30
http://www.genkosha.co.jp/gmook/?p=9277

A4変型判 160ページ
定価:本体1,800円+税

Copyright(C)本エントリーで使用している写真やプレスキットは許諾を得たものを使用しています

2015/10/19

AGFA Solagon 50mm F2 (L39 mount conberted from Karat IV)*

マニア達が口を揃えて言う
このレンズは隠れ名玉だと
AGFA Solagon 50mm F2
もともと評価の高いレンズではあったがバックフォーカスが短い上に交換レンズではないため、デジカメ時代に入り長らく日の目をみない地味な存在となっていた。しかし、ミラーレス・フルサイズ機のSony α7シリーズが登場したことにより状況は一変、このレンズにもようやく旬の時期が訪れている。ドイツのAGFA社がレンジファインダーカメラのKarat 36(1951年登場の後期モデル)と後継機Karat IV(1955年登場)に搭載したガウス型レンズのSolagon(ゾラゴン) 50mm F2である。Karat 36のレンズとしてはそれまでSchneider社からXenon(クセノン) 50mmF2、Rodenstock社からHeligon(ヘリゴン)50mmF2が供給されていたが、AGFA社はSolagonの開発を機に次期モデルからカメラを100%自社生産する体制に移行しようとしていた。レンズを設計したのは同社のTheodor Brendel(テオドア・ブレンデル)という設計士で、1950年にSolagon、1952年には戦前からあるテッサー型レンズSolinar( ゾリナー)の後継モデルを発表した[文献1,2]。Solagon付きのKarat 36は1951年の発売時にXenon付きやHeligon付きのモデルと同一価格で売り出されている。強気の価格設定であるが、現実的に考えて互角の性能ではブランド力の弱いAGFA社のレンズでXenonやHeligonに対抗できるわけがない。Brendelが掲げた目標は少なくとも先発の名レンズ達に実力で勝る優れた性能のレンズを開発することであったに違いない。追い詰められた人間にはとんでもない力を発揮する瞬間があることを私は知っている。隠れ名玉ゾラゴンはこうした逆境の中から生み出された実力派レンズなのである。

AGFA Solagon 50mm F2の構成図(文献[1]からのトレーススケッチ)。構成は4群6枚のダブルガウス型
AGFA社
AGFAと言えばカラーフィルムと現像液のパイオニアとして名高いドイツ発祥の化学薬品メーカーである[文献4]。Kodakが世界初のカラーポジフィルムを発売した翌年の1936年にはAGFAもポジフィルムのagfacolor neu(アグファカラー・ノイ)を発売している。この時に発色現像を1回で完結させることのできる画期的な現像処理法を実用化し、この技術が現在の世界標準となった。また、同じ年にネガフィルムからポジカラープリントを得る方式(ネガポジ法)を世界で初めて実用化した。AGFAが開発し1892年に発売した現像液のRodinal(ロジナール)は今も販売されている超ロングセラー商品である。
AGFAの創業は1867年で、ハイデルベルク大学を1863年に卒業した化学者のパウル・メンデルスゾーン・バルトルディ(Paul Mendelssohn Bartholdy)とイングランドに染料工場を設立した実業家のカール・アレクサンダー・フォン・マルティウス(Carl Friedrich Philipp von Martius)がベルリン近郊のルンメルスブルク湖のほとりに工場を建設しアニリンの生産に乗り出したのがはじまりである。創業者パウルの父はドイツ・ロマン派を代表する有名な作曲家フェリックス・メンデルスゾーンである。「ヴァイオリン協奏曲」「無言歌」「結婚行進曲」などはメンデルスゾーンの名を知らずとも誰しもが耳にしたことのある名曲である。工場を設立したパウルとカールは1873年に会社名をアニリン製造株式会社(Aktien-Gesellschaft für Anilin-Fabrikation)へと変更するが、この頭文字をとり1898年からはAGFAを正式名称とした。なお、パウルは1880年にベルリンで心筋梗塞に倒れ死去、会社の経営は甥のフランツ・オッペンハイムが引き継いでいる。その後、1891年に同社が開発した現像液のロジナールがヒットし会社は事業規模を急速に拡大させてゆく。1925年にはカメラメーカーのRietzschel(リーチェル:1896年にミュンヘンで創業)を吸収合併することでカメラ部門を設立、1926年にはテッサー型レンズのSolinar(ゾリナー) 105mm F4.5が付いたNinon(ニノン)というフォールディングカメラを発売しカメラの生産にも乗り出している。戦後まで続くフォールディングカメラのKaratシリーズが発売されたのは1936年で、同社がフィルム現像技術の発展に大きく貢献し世界的なフィルムメーカーになるための足跡を残したのもこの年である。なお戦前のKaratシリーズに搭載されたレンズはテッサー型のSolinar 5cm F3.5とOppar(オッパール) 5.5cm F4.5、トリプレット型のIgestar(イゲスタール) 5cm F6.3である[文献3]。
会社は1925年の大合併により巨大企業IG・ファルベンインドゥストリーの一部となるが、戦後の1951年に財閥として解体され、1952年からはバイエル染料会社の傘下でAGFA写真工業会社およびAGFAカメラ会社として再スタートしている。1964年にベルギーの印画紙メーカーGevaert(ゲバルト)社と事業統合するものの1983年にカメラ事業からは撤退、現在はベルギーのモンツェルに本社を置き印刷機材、医療機器、マイクロフィルム、ポリエステルなどを主力製品としている。2011年時点での従業員数は13000人である[文献5]。

参考文献
[1]  Theodor Brendel, Pat. DE833419 C (1950年申請, 1952年公開)
[2]  Theodor Brendel, Pat. US2784642 (1952年申請, 1957年公開)
[3]  早川通信:よく写る「アグファのカメラ」紹介(1996年秋・伊勢丹)
[4]  AGFA社公式ページ
[5] 日本アグファ・ゲバルト株式会社:沿革・歴史
重量(実測/ヘリコイド含まず) 180g, フィルター径 29.5mm, 絞り羽 10枚構成, 絞り F2-F16, イメージフォーマット 35mm判, 構成 4群6枚(ガウス型), 本品はL39マウントに改造されている。レンズ名はラテン語で「太陽」を表すSolとギリシャ語で「角」を意味するgonの合成
入手の経緯
このレンズは2015年1月にヤフオクを介しrakuringjpさんからライカLマウントとして距離計非連動で使用できる改造レンズとの説明で購入した。購入価格は29800円(即決価格)である。レンズヘッドの部分がM42に変換されておりM42→L39ヘリコイドに搭載されていた。また、レンズヘッドとヘリコイドの間には薄いスペーサーが何枚か入っており、無限遠調整されていた。商品の解説は「目立つキズ、クモリ、カビ、バルサム切れはない。強い光に透かすとホコリと気泡がある。描写には影響のないレベル。絞りに汚れあり」とのこと。レンズにはマウントアダプターが付属していたが出品者に不要であることを伝え1000円値引きしてもらった。
 
撮影テスト
インターネット上に出ている世評ではシャープで色鮮かなうえ解像力が高く、コマ収差がよく補正されており、フレアが少ないスッキリとヌケの良い描写のレンズということなので、現行レンズ的な性能を想像していた。しかし、使ってみたところ少し違い、良い意味で裏切られた。シャープで色のリは良好なレンズだが、やや温調気味にコケる傾向があり、いい味が出る。このあたりは私好みなのでとても満足のゆく描写傾向である。確かにコマはよく補正されており開放でもフレアや滲みとは無縁のシャープでスッキリとした描写ではあるが、絞っても階調はなだらかで中間階調は豊富に出ている。光の微妙な強弱を丁寧に拾うことができるトーンの美しいレンズである。解像力は開放から実用レベルだが1~2段絞ったあたりが素晴らしく、細部まで緻密に描き切る描写力がある。周辺画質も安定しておりグルグルボケはポートレート域を撮ると背後に僅かに出る程度。開放から安定感があり、トーン描写が美しく、味わい深い発色を楽しむことができる優れたオールドレンズである。
F4, Sony A7(AWB):  さっそくスバラシイ階調描写にビックリ仰天した
F4, Sony A7(AWB): 一段絞れば解像力は良好で細部まで緻密に表現できる

F2(開放), Sony A7(AWB):  開放ではやや解像力が落ちるもののフレアの兆候はなく階調は安定している。絞りに対する画質の変化が少ないので中間絞りにおける球面収差の膨らみが小さいのであろう






F2(開放), Sony A7(AWB): グルグルボケは出てもせいぜいこのくらい。パリコレ気取りだ

F4,Sony A7(AWB): シャドー部に向かって中間階調の変化がなだらかに出ている
F4, sony A7(AWB): 解像力のテスト画像。このレンズは半段から一段絞るあたりで解像力が急激に向上する。中央部をクロップ拡大したものが下の写真である



上の写真の中央部を拡大したもの。細部まで緻密に描写している。比較のために開放での写真もこちらに提示する。開放ではここまで緻密にはならないが、滲みなどなくキッチリと写る
















2015/10/09

更新のお知らせ「トロニエの魔鏡1」

トロニエの魔鏡1 銘玉の源流
マイナーチェンジですがパート1の方も作例を追加し一部文章を書き換え更新しました。Retina-XenonをSony A7で使用して撮った写真を収録しています。レンズは戦前の製品個体ですが薄いコーティングがついていました。blogの方はこちらです。最近、トロニエの50歳の頃の写真と60歳の頃の写真を入手しました。左の写真は晩年のトロニエを描いた想像図です。

2015/10/05

更新のお知らせ「トロニエの魔鏡2」

トロニエの魔鏡2 不遇の最速レンズ
状態の良いLeitz Xenon 5cm F1.5をリーズナブルな価格で手にいれるのに4年の歳月を費やしてしまいましたが、先日とうとう入手に成功しました。やっとのことでしたが、まぁその間にSONY A7シリーズが発売されるなど、このレンズをフルサイズセンサーで使用できる環境が整ったので、悪いことばかりではなかったと思います。それにしても、Leitz Xenonは品のある開放描写で想像以上に素晴らしいレンズでした。レンズの作例を加え、blogの内容を全体的にブラッシュアップしました。こちらです。